2003年2月
2003年2月20日

 梅の花も、もうすぐ終わり。もう花屋さんには、色鮮やかな桃の花が入荷しています。花とともに受講生から「ボカボ小論術のお陰で合格できました!」という知らせも舞い込んできました。校長としても非常に嬉しい。仕事の疲れが一気に吹き飛びます。これからの人、ぜひ頑張ってくださいね。

 私のところにも、花の便りとともに、慶応大学の問題が速達で送られてきました。文学部・経済学部・法学部の三つ。26日まで旺文社の模範解答を書かねばなりません。今年の慶応の問題はどうかって? 去年と基本的には同じですね。
 文学部は時間についての複数の文章の設問。経済学部は、家族生活の将来を扱っています。小問に分かれているのはいつもと同じ。法学部は、去年のような随筆ではなくてキチンとした評論風の文章です。去年加藤典洋の「つるつる」で高校の先生からだいぶ批判があったみたいなので、変えたのかな? 文章は結構難しいけど、大問一題という形式は踏襲されています。
 それぞれの書き方の基本は、「なるほど小論文講義10」に書いている通り。さて、後は自分の知識を利用して、どう料理するかだけです。とっても簡単。解答例を書いたら、VOCABOWでも一部を発表する予定です。乞うご期待。

2003年2月10日

緊急のおしらせ

 このごろ「なるほど小論文」の読者からたくさんのメールをいただいてますが、ときどき質問のお答えを送ろうと思っても、返信できない場合があります。
 特にDOCOMOの携帯からのメールにその傾向が多いようです。DOCOMOに問い合わせたところ、携帯の設定がiモード限定になっていたり、特定のアドレスからのメールしか受け付けないようになっている場合が原因だそうです。私は質問には必ず答えています。もし届かない場合は、携帯の設定を確認してください。宜しくお願いします。

2003年2月7日

 あっと言う間に三日間は経ってしまいます。時間の過ぎるのは速いですね。私の行っている予備校の一つでは、もう新年度が始まっています。受験勉強は早いうちにはじめるということなのでしょうが、年々開始の時期が早まっている気がします。

 それなのに、小論文の参考書が一番売れるのは、なんとセンター試験が終わってからなのだと言います。本当は、それじゃチョー遅いのだけどね。小論文だけは、早めにはじめた方がいいと思いますよ。これも私の行っている予備校の話だけど、一学期に四回、二学期に五回しか書かない。これでは、はっきりいって少なすぎるのだよ。まともな小論文を書くには、少なくともこの二倍以上書かなくてはね。
 とくに早慶、東大後期などの小論文を書くなら、できるだけ早くはじめないと、時間が足りなくて困ることになる。書き方の基本を学習し、かつ基本的な問題の解き方のパターンをインプットしなくてはならないからだ。そこに達するには、30回近く書いてみる必要があるのではないかな?

 よく小論文では差が付かないなんて言っている先生がいるけど、それは書き方や添削の仕方に無知なだけ。だから、そういうことを平気で言う。かつては「現代文なんて日本語だから誰でもできる」なんて言っていた人もいたけど、さすがにそんな無茶なことを言う人はいなくなった。今年のセンター試験の点数を見れば、国語の点数が一番悪い。勉強しないと悲惨な目に遭う、ということは身にしみてわかったはずです。
 努力しないでもよい点が取れるなんて言いぐさは、すべて気休めにすぎません。甘い言葉に誘惑されるな、ということですね。
2003年2月3日

 みなさん、お元気ですか?
 最近、携帯からメールを下さる人が多いのですが、返信しても宛先不明ということで、戻ってきてしまう場合がよくあります。どういうわけでしょうね? とくにドコモから送信してきた場合が多いようです。メールをもらった人には、必ず返事を書いています。だから、VOCABOWにメールしたのに返事が来ないときは、返事が戻ってきちゃった場合だと考えてください。
 さて、受講者が送ってくる答案には、この頃一つの特色があります。それは、ポイントとサポートの関係がうまく書けていないことです。ご存じのように、ポイントとは言いたいことの中心を短くまとめたところ。サポートは、理由・説明・例示など、ポイントをくわしく分かりやすく言い換えたところです。通常の段落構成は、ポイントを段落の頭に置き、その後からサポートで補足するという順番です。
 ところが、この順番が乱れる人が本当に多い。

1 理由が抜ける
2 理由の後に説明がない
3 説明と例示が対応しない

が三大症状です。初歩の場合は1や3が多いけど、中級になってかなり内容はよい小論文が書ける人でも、2がうまくいっていない人が多い。「説明」とは理由の中に書いてある語句を違う言葉・表現に言い換えるプロセスです。たとえば

「終身雇用は高度成長期には有効であった。なぜなら、職業にアイデンティティが持てることで、意欲が高くなるからである。」

と書いたなら、その次に書くべきなのは「どういうアイデンティティか?」「どうして意欲が高くなるのか?」などの情報、つまり「説明」です。たとえば

「一生をかけて仕事ができることで、仕事は人格と一体化する。したがって一生懸命働くことが、自分に生きる意味を与えてくれるのだ。当然、仕事に対する勤労意欲も高くなるわけである。」

などと補うわけです。
 この順番に気をつけるだけで、文章が見違えるように分かりやすくなります。ちょっと試してみてくださいね。


All text and images (c) 2001 VOCABOW. All rights reserved.