2003年9月

2003年9月29三日

 この頃街を歩いていて、女性の身体の振る舞い方が気になります。人に言わせると、私も身体感覚は鈍いらしいので、エラそーなことは言えないのですが、自分の身体を自覚していない人が多くなっている気がするのです。
 まず、平気で他人にぶつかってくる。狭い階段ですれ違うときでも、肩をすぼめて互いに場所を譲ろうとしない。「お前がどくのが当然だろ」と言わんばかりに、そのまま歩いてくる。肩が触れると、痴漢でも見るみたいなさげすんだ目でにらむ。
 昨夜は、歩道で自転車に乗りながら携帯電話を掛けていた若い女が、歩いている私にぶつけてきました。謝罪の言葉もなく走り去っていこうとするので、怒鳴りつけたけど、携帯に夢中で聞く様子もない。よほど、追っかけていって自転車をつかまえようと思いましたが、私の方が加害者にさせられそうなので止めました。
 自分のたてる音にも鈍感です。ハイヒールで地下鉄のエスカレーターを下りてくる時など、カンカンとものすごい音がする。若い女性が数人下りてくると、耳が痛くなるくらいだ。通勤の時ぐらいスニーカーを履けばいいのに。これも文句を言ってやろうと思うけど、「変なおじさん」と言われるだけでしょうね。こちらの方が正しいと思うけど、多勢に無勢「変人」扱いされちゃうだけだろうね。
 これは、私の行っている運動クラブの店長から聞いたことだけど、最近女性のロッカールームでは盗難が絶えないそうです。しかも、お金を盗むだけでなく、シャンプーだとかタオルだとか、しようのない物まで取っていく。「シャンプーくらい自分で買えばいいじゃないですか。男のロッカールームでは聞いたことがないんですけどね」と彼は嘆く。
 いったい、どうなっちゃっているんだろうと思います。もちろんマナーを守ってきちんとした女性は多いとは思うし、男だって乱暴な人はいるけれど、私の目に映るのはこまった女性達ばかりなのです。だからあえて言いますね。女性全体を偏見で言うのではありません。Disciplineという言葉があるけど、今の若い女の人たちは社会的なDisciplineが欠けている気がします。この間若い女性について中年の同僚が言ってました。「動物的な欲望だけがぼこぼこマグマみたいに噴出しているだけみたいで、ちょっと恐いぐらいだね」と。共感せざるを得なかった私でありました。

2003年9月21日

お知らせ
 このところ皆さんからご要望が多かった法科大学院の小論文コースを、「社会人入試」個別対応コースの中に併設して、「社会人入試・法科大学院」個別対応コースといたしました。ここにお知らせいたします。
 法律をやっている方にありがちなのですが、価値評価にこだわってしまい、社会科学的なマクロな見方に欠けることが多々あります。この講座では、社会科学の知識と考え方を学ぶと同時に、緻密な論理構成力を養成するよう一人一人に合わせてカリキュラムを作成いたします。
 ところで、今、私も適性試験の解説書を執筆しています。来年の春には画期的なシステムによる問題集が完成しますのでご期待ください。

2003年9月16日

 13日に長野県の野沢北高校に小論文の講演会に行って来ました。長野新幹線で大宮から一時間あまり。ほんとに直ぐ! という感じです。佐久平という駅で降りるのですが、みょーに広々とした駅前には巨大なスーパーマーケットが建ち並び、みょーに広い道路が続いています。タクシーの運転手さんの話だと、昔はこの駅のある所は田圃だけの淋しいところだったとか。それが新幹線が出来るやいなや、にょきにょきと建物が建ち並んだ。しかも、建物同士の距離が長いので、クルマがないと不便で仕方がないらしい。まるでロス・アンジェルスですね。一方で、近くに有名な小諸市があるらしいのだけど、新幹線が出来て以来、JR信越線も第三セクターに移されて、すっかり本数も少なくなり、商店街もさびれてしまったのだとか。
 これは私の「頻出テーマのまとめ方」にも書いたのだけど、地方に道路ができると便利になると政治家は言うのだけど、結局起こったことは、若者たちがその道路を使って、都会に出ていったことだったようです。「ストロー化現象」というのだそうですが、新幹線も同じことで、東京からのアクセスは良くなるのだけど、地域の人々の生活はかえって不便になるのかもしれない。せいぜい東京に住んでいる人の別荘が増えて、地価が上がるのがメリットでしょうか。でも、もういい加減に目を覚ませよ、と言いたくなりますね。
 高校の先生からチョットおそろしいことも聞きました。この頃は高校を卒業しても、就職口がないので、仕方なく大学に行くんだとか。大学に行けない人は、専門学校に行く。要するに学校は、就職できない若者たちに何とか合法的にいられる場所を提供しているようになっているらしい。こんなあり方では、学生たちも勉強なんてする気にならないでしょうね。うーむ、日本はけっこう際どいところに立っていますよね
2003年9月8日

キャンプの思い出1

まずは花見に
 キャンプの続きを書こうと思います。数えてみると、今までずいぶんやってきました。とにかくキャンプ用具を買ってしまったので、最初は秩父の山の中から始めました。とにかく、テントの張り方が分からず、苦労しましたね。今考えれば、その時のテントは骨組みが複雑なハウス型で、よくあんなものでやっていたと思います。それでも、その夜は満月で、真夜中に森の中を歩くと杉の木が銀色に光るのには感激しました。
 その不便なテントを車にくくりつけて、その年の春は吉野、奈良と花見に行ったし、北は北海道まで行きました。吉野では、国道の直ぐそばに夜中に野営し、次の日は天川(てんかわ)神社の近くの河原でテントを張り、朝にはウグイスの声で目が覚めました。河原でのホーホケキョなんてそう簡単にはお目にかからない。 その後、くねくねとした山道を伊勢志摩の方に下ると海辺はもう春満開。暖かくて気持ちよかったね。
 ひょっくり見つけた港の脇の民宿で一晩泊まると、そこの主人が漁師をしていて、朝アナゴ漁に行かないかと誘う。二つ返事で漁船に乗ると、しばらく前に仕掛けて置いたアナゴの箱(と言うのだろうね、アナゴは狭いところが好きなのでそんな箱を沈めておくと夜のうちに)を次々に上げていく。40個以上上げたけど、その過半数にアナゴが入っていた。その後出発するまで、午前中は岸壁についた牡蠣を拾っていました。アナゴはほとんどもらってきたし、拾った牡蠣も50個ほどあったし、東京に帰ってから、しばらくアナゴと牡蠣三昧の生活でした。ところでアナゴの裂き方って知っていますか? 何とカッターナイフで裂くのです。民宿のご主人が教えてくれましたけど、確かに包丁より簡単です。

北海道もすてき!
 その次の夏に行った北海道も最高でしたね。東京から車を飛ばし、最初だけは仙台のホテルに泊まったけど、その後は北海道まで休まず一直線。まず支笏湖の岸辺で泊まり、次に阿寒湖で泊まり、知床で泊まり、最後は根室からフェリーに乗って帰ってきました。やっぱり北海道は大自然ですね。本州とスケールが違う。阿寒湖のそばにオンネトーという湖があって、そこには湯の滝という天然の温泉があるのです。入るのには、山道を2km歩かねばならない。汗だくになってたどり着き、湯に入り、またとことこ歩いてくるとまた汗だくになる。そんな不毛なことを繰り返しても、やはり外の温泉は楽しい。三泊もしてしまいました。
 特筆すべきは、キャンプ場の管理が行き届いていること。本州では私はキャンプ場なんか絶対に泊まりません。ちゃちくて汚い建物を建てて、水場とトイレだけ作ってそれで一人一泊2500円なんて馬鹿にしている。きちんと管理もしない癖に金を取る。でも、北海道のキャンプ場は許せる。ゴミの管理はきちんとするし(実際ゴミをそのままにしておくとクマが出て恐いのだけどね)、いろいろと面倒見もいいし、これなら800円くらい払ってもいいという気持ちになる。
 動物もとにかく多い。オンネトーの近くを夕方車で走っていると、急に目の前に二匹のエゾシカが飛び出した。あわやその日は鹿鍋か!と思ったのですが、間一髪シカたちは跳んで逃げてくれました。今までも「動物注意」なんて道路標識は見たことはあったのでしたが、実際引きそうになったのは初めてでした。オンネトーの湖も驚くほどキレイ。本当はいけないのだろうけど、私はウェットスーツをつけてシュノーケリングしてしまいました。すると、水の綺麗なこと! まるで沖縄の海のようです。いや、それよりももっと澄んでいるかも。水底も真っ白で幻想的な光景です。こんな綺麗な水は今まで見たことがない。ただし魚が一匹もいない。火山の影響で水が強酸性なのです。よーく見ると、水底にヤゴが一匹じっとへばりついていました。
 その先は知床です。ここにもカムイワッカの滝という温泉の滝がある。登っていくとだんだん川の水が熱くなる。何番目かの滝壺でちょうどいい湯加減になる。さっそく服を脱いで湯に入る。とにかく絶景でしたね。でも行くまでの道が砂利道なので、途中でパンクしてしまいました。他にもキャンプ場を流れる川の横にお湯が沸いていたり、北海道の温泉は豪快です。こうして思い出してみると、けっこう遊び回っていますね。自然の中でキャンプするっていいですよ。お金で物を消費するのでは得られない特別な経験ができます。我がキャンプ人生に悔いなしという感じです。


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