2004年1月

2004年1月28日

 三週間ぶりの三日坊主通信です。実は使用しているプロバイダーにアップロードが出来なくなり、しばらくお休みをしていたのです。けっしてさぼっていたわけではありません

 さて、そんな中でも状況は刻々変わり、合格の報告も届いていました。中には一次選考は通ったのだけど、その後が…なんて残念なのもありましたが、勝負は時の運ですからね、人事を尽くした後の天命は堂々と受け入れましょう。
 ところで、私の嫌いな言葉に「勝ち組」「負け組」というのがあります。日本社会の不況突入とともに至る所で使われてきました。最初に聞いたのは、とある予備校のパーティです。「我々は勝ち組になりつつある」とオーナーが檄を飛ばしていました。聞いたとたん、何という下品な表現かとあきれ果て、人格を疑いましたね。
 この言葉の起源は知っていますか? 実はブラジル生まれなのです。ブラジル奥地には日本からの移住者たちが沢山いるのを知っていますよね。その中で、第二次世界大戦の直後、日本が負けたという事実をどうしても認めたくない人々が「勝ち組」と言われたのです。彼らは日本が負けたというニュースを信用せず、アメリカの謀略だと主張したのです。
 もちろん、情報通の日本人入植者たちもいて、そういう人は「日本は負けた」ということを何とか「勝ち組」に分からせようとしたのだけど(つまり、これが「負け組」)、彼らはまったく聞き入れず、それどころか「負け組」の人を「裏切り者」「アメリカのスパイ」だと決めつけ、暴行を加えたり、家を焼いたりしたのだそうです。要するに「勝ち組」は集団ヒステリーなのですよね。
 したがって「勝ち組」とは、客観的に現実を見ないアホな人々という意味でもとは使われていたのです。それが「市場競争で勝った陣営」という意味になるんですから、隔世の感がありますね。でも、「勝った、勝った」と浮かれているだけで、客観的に現実を見ない人々が多いことを考えれば、事態はさほど変わっていないのかも知れない。その予備校も、それからしばらくは景気がよかったのだけど、今となっては結局倒産寸前らしい。

 この頃は女性についても、「女の負けイヌ」なんて表現があるみたいですね。三十代になって仕事はやっているのだけど結婚できない女性をそのように言うんだそうです。結婚の時期なんて人の自由なんだから余計なお世話ですが、えらく流行っているようです。根強い女性の結婚願望って奴ですかね。
 でも面白いのは、負けた方が「負けイヌ」なのは当然として、勝った方を「勝ちイヌ」と呼ぶことです。勝ったって負けたって、たかが「イヌ」どまり、あほくさい! という自嘲のニュアンスが入っている。まあ、結婚したところで大した男がいるわけじゃなし、いいことないよな、という感じでしょうか。
 これはイヌという言葉が持っている含意(インプリケーション)ですね。何でも主人の言うことを聞く、ちょっと卑屈な存在。これがゴキブリだともっとハッキリする。「勝ちゴキブリ」「負けゴキブリ」とかね。勝ったって負けたって、どうせゴキブリなんだから、と思うとつい力がへなへなと抜けませんか?逆に「勝ちネコ」「負けネコ」なんて言うと、勝っても負けても我関せず、なんて風情であくびしている姿が思い浮かぶ。そういえば「なめネコ」なんてキャラクターも昔ありましたね。
 しかも、イヌには「キャンキャン鳴くうるさい存在」という意味もある。「勝ちイヌ」というと「勝った、勝った!」とキャンキャン鳴き叫ぶばっかりで、実は人の命令に従うだけの主体性ゼロの人間が思い浮かびません?所詮「勝ち組」なんて騒いだって、そんな無力な存在に過ぎないのでしょうね。つまらん流行語に惑わされるのは止めて、自分のペースを守っていたいものですよ、ホント。

2004年1月9日

 法科大学院の入試はいよいよ本番! どこも適性試験の点数が足切りになっているみたいですね。ボカボの受講生の中には、適性試験の点数が悪かったけれど、志望理由書の出来がよかったので特別枠で合格できたという例もあります。添削の腕が良かったのかな、と密かに満足している今日この頃…。しかし、適性試験はやはり早くから対策しておくべきでしょう。ボカボでも、将来、サポートする体制を作ろうと思います。

 さて、2月始めに、その適性試験対策に最適の本が出ます。「法科大学院適性試験完全攻略ブック」(実務教育出版)。私は第2部の解説と攻略法を担当していますが、今までのどんな解説書よりも分かりやすいはず。次の受験をお考えの方は、一読してください。見出しの付け方、整序問題の解法など、類書とのあまりの違いに驚くと思います

 年が明け、毎日のように受講者のみなさんから続々と合格のメールが来ています。もちろん、全員が第1志望に合格したわけではありませんが、かなりの確率と言っていいんじゃないかな。残念ながら希望校に通らなかった人も、まだあきらめるには及びません。特に法科大学院の場合は、大学みたいにまだ名門校があるわけじゃないですから、とにかくどこかに入って、最終的に司法試験に通ればいいのです。
 
 大学、大学院、就職など、試験を目指す人に共通して言えることですが、最後まで気をぬかないでがんばりましょう。しっかりした準備だけが自信を生むのです。「もうここまででいいや」なんて思ったときが、実は一番危ないのです。

2004年1月2日



新年あけましておめでとうございます。

VOCABOWでは、去年はたくさん受講者を迎えました。きびしい添削を受けながら、毎週提出する努力は大変だったと思います。

私たちスタッフも必死で添削しました。皆様とメール上で緊張感あるコミュニケーションができたことは、私たちにとって何よりの財産です。ありがとうございました。

慶應大学AO入試、中央大学社会人選抜、早稲田大学法科大学院第一次選考など、もう朗報が続々届いています。個人がきちんと考え、努力したことは、ちゃんと報われる。
これからは組織や集団ではなく、そういう実力がますます重視される時代になっていくのでしょうね。

その力を養成する時期は早いほうがよい。これから受講を考えている方は、思い立ったが吉日、すぐ始めましょうね。また、すでに受講中の方は、とにかく脱落せずに最後まで続けましょう。

今年が皆様にとって、実り多い年でありますように。

VOCABOW