2004年9月
9月20日

 前回好評だった「法科大学院適性試験攻略ブック」新版の原稿を書くために、ここ三日ほど某所にこもって適性試験第二部の問題を解いていました。ビックリしたことは、明らかに問題が易しくなっていたことです。今年は平均点が7点近くも下がっていたし、ボカボに寄せられる感想の中にも「適性試験が思ったほどとれなかった」「失敗した」という内容が多かった。しかし、問題のレベルがそういう感想に全く対応していない。解きやすい良問が多いのです。
 くわしくは、もうすぐ発売の「攻略ブック」第二部解説を見てほしいけど、基本的方法が確実に応用できれば、全く問題なく、ほとんどの設問がすらすらと処理できてしまう。もし、今年の問題が「難しい」と感じたとしたなら、受験生は「論理的文章の分析的な読み方」を理解していず、直感的なやり方に頼っていたではないか、と疑ってしまいます。こういう文章は、小説と違って、問題・解決・根拠などの文章構造を明らかにしながら読んでいかなければならないのだけど、その作業をやっていないでしょうね。だから、変な選択肢を選んでしまう。適性試験対策に力を入れていた受験予備校の質が問われるなーと思ってしまいました。
 たしかに、試験場の雰囲気に飲まれて、実力が出せなかったということもあるかもしれません。実際、ある予備校の先生に聞いてみたら、試験場では出来なくて焦ったのだけど、家で解き直してみたら、全問解けたのだとか…でも、やっぱり解せません。模擬試験とか、皆いろいろ受けているはずで、今更大部分の人が雰囲気に飲まれるなんて、考えられないことです。やはり、今回のような基本的問題で平均点ががっくり下がったのを見ると、理解力不足・演習不足が露呈されたと考えるのが正しいようです。
 どんなものでもそうなのだけど、小手先の練習をするだけでは力がつきません。時間がすごくかかってしまうし、見落とすポイントも多くなる。今年の受験生は、どうもそういう袋小路に入り込んでいたらしい。練習は正しい方法に基づかなければ効果はありません。正しい方法は応用に強い。ちょっとぐらい形が変わっても同じように出来るし、複雑な手順が加わっても整理して処理できるのです。
 今回は、大学入試センター側の「してやったり」という顔が目に浮かびますね。司法試験予備校を「小手先技術のマニュアルを教えている」と目の敵にしていたけど、良問でその「裏をかけた」ことは、その欠陥を証明したことになるからです。


9月5日

 9月に入って、法科大学院受験者から一次合格の知らせが続々と入ってきています。早稲田とか関西学院などの比較的提出時期が早かったところです。とりあえずよかったですね。vocabowのスタッフも本当にうれしい! 一生懸命添削したんですものね。もちろん、力を出したのはそれぞれの受講生ですが、それを手助けした感じというのは何とも言えません。手塩にかけた花が咲いたときはこんな感じでしょうか? まだ面接や小論文があるので気は抜けませんけどね。
 合格なさった方々おめでとうございます! この調子で二次も突破してください。