教員採用試験受験者向け

『2018年度版 
リアルから迫る 教員採用小論文・面接』

吉岡友治 著  実務教育出版 
定価 1,944円(税込み) 
 
  リアルから迫る

2018年度版です!

  ◆『リアルから迫る 教員採用小論文・面接』の2018年度版が出ました!
 教育については、みな一家言を持っています。政治家は「今の社会が悪いのは、教育が悪いせいだ!」と言いたがり、いろいろな「教育改革」がなされてました。
 結果はどうだったでしょうか? 市長が教育に力を入れたある大都市では、次年度から、教員志望者が激減しました。「ゆとり教育」の推進から批判へと、めまぐるしい教育観の変遷も記憶に新しい。多様な主張がなされ、対立も激しいのに、状況はあまり良くなっていないようです。
 これは、さまざまな「教育論」の根拠が、個人の体験や思い込みに基づくことと関係していると思います。教育は「理念」と「善意」に基づきます。一説に「地獄への道は善意に敷き固められている」と言いますが、「理念」と「善意」に基づく議論は、偏見に陥りやすく、極端な主張になりがちです。
 教員採用試験の設問は「具体的な対策」を求めますが、自らの心情や熱意に頼って書くことは危険です。この本は、基礎となる理論と客観的なデータに基づき、あえて仮説を提示して、解決策を模索しました。もしかしたら、教育界の「常識」や「空気」とは違うかもしれませんが、考え方の筋道が明らかになるので、自分でも検証しやすいし、そういう謙虚で確実な態度は、試験官に対しても説得的なはずです。
 今年のテーマは「学力の低下と格差」。「学力」は永遠のテーマで、現代の教育体制を批判するにも「学力低下が起こった」という言い方はよく行われます。そのラインで「ゆとり教育批判」も「数学のできない大学生」も大きな話題になりました。しかし、現場の粘り強い取り組みもあり、学力はむしろ上がっていると考えた方がよいようです。それより、現代で重要なのは、社会の格差拡大とともに、学力格差も広がっていることです。社会情勢と教育がリンクしているのです。
 どうしたらいいか、対策は簡単ではありません。しかし、教育者を目指す方、教育に興味と関心を持つ方に読んでいただき、時用今日が認識され、現場から変わっていくきっかけになれば、この本の目的は半ば達せられたようなものです。ぜひご一読ください。

 


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