教員採用試験受験者向け

『2019年度版 教員採用試験 教育問題の核心に迫る
勝てる小論文・面接』

吉岡友治 著  実務教育出版 
定価 1,944円(税込み) 
 
  勝てる小論文

2019年度版です!

  ◆『教員採用試験 教育問題の核心に迫る! 勝てる小論文・面接』の2018年度版が出ました!
 この本は『リアルから迫る 教員採用試験小論文・面接』の全面改定版です。教育については、みな一家言あり、いろいろな「教育改革」が試みられてきました。
 しかし、その結果は、残念ながらはかばかしいものではありませんでした。大学の独立法人化はほぼ失敗と評され、競争性を打ち出した都市では教員志望者が激減し、労働時間の長時間化から、心を病む教員も増え続けています。みな「教育を良くしよう」という気持ちは変わらないのに、状況はむしろ悪くなっているとしか感じられない。
 これは、さまざまな「教育論」が、個人の体験や思い込みに基づくことと関係しているからでしょう。教育は「理念」と「善意」に基づきますが、反面「理念」と「善意」に基づく議論は現実を無視して、極端な主張になりがちです。
 その意味で言えば、教員採用試験の設問も、自らの心情や熱意に頼って書くことは危険です。むしろ、客観的な理論とデータに基づき、あえて仮説を提示して、そこから解決策を模索するという方向が求められます。考え方の筋道が明らかになれば検証しやすいし、謙虚で確実な態度は、試験官にも説得的なはずです。
 今年のテーマは「不登校とクラスづくり」。最近は「スクール・カースト」という言葉がよく言われます。学校はそれなりにストレスがきつい場所であり、人間関係も複雑です。子どもの間での評価は、成績など大人による評価とは違います。その中で、疎外感を持つ子どもも増えている。一方で、教師の側にも同様のカーストがあり、その能力も均一ではない。その現実の中で、教育は進められなければならない。理想と熱意だけでは、どうしようもない状況があるのです。
 解決策や対策は簡単ではありません。しかし、そういう困難を認めるところから、問題への向き合うことが始まるのです。教員を目指す方、教育に興味と関心を持つ方が学校の状況を認識し、現場に即した変化につながるきっかけになれば、この本の目的は半ば達せられたようなものです。ぜひご一読ください。

 


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