教員試験小論文 受験用  

『〈2014年版〉小論文 時事テーマとキーワード 教育・教員養成編』

吉岡友治 著  旺文社 
定価 1,080円(税込み) 
 
  『〈2014年版〉小論文 時事テーマとキーワード 教育・教員養成編』


受験者必携! 現代の教育問題を読み解くために必須の15テーマ


 かつてイギリスの首相ブレアは「国家喫緊の問題はただ教育、教育、教育である!」と言いました。たしかに、教育については、誰でも意見を言いたがる。誰でも改革をしたがる。そして、バラ色の未来を描きたがる。しかし、そのおかげで教育がよくなったためしは、残念ながら1回もありません!

 そういえば、「教育改革国民会議」でしたっけ? もう名前もうろ覚えだけど、各界の著名人を集めた会議も、無惨な失敗に終わりましたよね。ノーベル賞学者から、ヤンキー先生まで多様な人材を集め、国民の知恵を結集したはずのに、なぜでしょうか?

 この本は、その謎に挑戦します。「いじめ」から「教員研修」まで、日本や世界各地で行われた「教育改革」が、なぜことごとく失敗するのか? それは、エージェンシー・コストの無視にあるのです。どんなに、理想を語ったとて、その本人が日本の児童・生徒のすべてを直接指導できるわけではない。
必ず、「教師」や「学校」という存在を経由しなければならない。

 その人々も自分自身の判断と世界観を持ち、独自の行動をしている。その構造を無視して、単一の世界観でコントロールできると思うことがそもそもの間違いなのです。だからといって、「研修」でいっせいに意識を変えようとすると、たんなる「全体主義」的妄想になる。その仕組みに無自覚だから、右も左も観念的で、役に立たない教育改革論が出てくるのです。

 「きれいごと」を並べ立てるのではなく、現場の実態に即して、地に足を付けた議論をしなければならない。現場の先生を不信の目で見るのではなく、その善意をまず信頼し、その力が発揮できる環境を整えなければならない。

 その意味で、 これは、現代の教育キーワードをリアリスティックに解説した、ほとんど唯一の解説集と言えましょう。これから、教員を志そうとするあなた、教育問題を真摯に考えようとするあなた、教育がどういうメカニズムで動いているか、ステレオタイプの意識を変える必携の一冊です!

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